鋼製手すり・鋼材の曲げ加工品など、主に建物の内装・外装のアイアン製品を製作。半世紀にわたり培ってきた金属製品の製造・加工技術を強みとして事業を続けてこられました。2015年に内藤照幸さんが先代より事業を受け継ぎ社長に就任。ブランド力のアップを目指して自社製品の開発やアイアンアートの創作などにもチャレンジ。アイアンを身近に感じてもらえるようにと溶接体験教室などにも積極的に取り組んでいらっしゃいます。
そして現在、数年前より開発に取り組まれていたポータブルロケットストーブ『てんぐの小太鼓』がクラウドファンディングで成功し、昨年(2020年)商品化。爆発的なヒットとなり、浜松市ふるさと納税返礼品にも選ばれました。
そんな中、2021年1月にホームページを新規開設。10年間、「アイアン手すりのナイトー」としてブログを続けてこられましたが、それだけでは発信力が足りないと感じ開設を決断。新規顧客の開拓、新規事業立ち上げ、ブランド力アップ、下請け体質からの脱却など、会社のためにブログを役立てようという思いからでした。
開設後は当初の狙い通り、工務店さまなどBtoBのお問い合わせ・お取り引きに関する効果が出ています。しかしそれ以上に、『てんぐの小太鼓』によるBtoCの反応が絶大で、ホームページをつくったことにより、想像以上にリアルな反応があることに大変驚き、効果を日々実感されているようです。
2015年に社長に就任した内藤さまに、自社製品開発の成功体験や、ホームページの必要性などを語っていただきました。
ホームページ開設に動いた理由を、
お聞かせください
入社した当時から、自社製品開発やホームページの必要性は考えていました。社長に就任以前からブログを10年間書き綴ってきましたが、『ナイトー工業』としてのものではなく、個人としてのブログでしたので、書く内容は仕事に特化してはいませんでした。それでも、「アイアン手すりのナイトー」を冠にしていたので、仕事に繫がる一定の効果やファンになってくださる方もいらっしゃいました。
そんな中で、ホームページを開設しようと動いたのは、これからの時代に必要なものだと思ったからです。新規のお客様開拓、新規事業立ち上げ、ブランド力アップ、下請け体質からの脱却などを図るためには、絶対に必要だと。 そこで、会員だった浜松商工会議所が推進しているMPさんは、自分である程度手を加えたり動かせたりできると聞いたので、セミナーに参加したんです。
当社でホームページを作ろうと決断した
決め手は何でしたか?
他のCMSも調べてヒアリングなどしたのですが、内容面やコスト面含めて開設に至るまでの時期なども合わず、決め手に欠けました。浜松商工会議所の青年部でMPの社長さんとは知り合いだったことも大きいのですが、ご提案いただいていた企画自体が良かったというのが、決め手でした。また、操作性もかなりハードルが低く、ブログと同じような感覚でできそうだと分かったこと、コスト面やデザイン性などページ構成を考えるとMPさんでないと難しいと感じたことも決め手の一つです。サポートしてくれる優秀なスタッフさんもいましたしね(笑)。
ブログをされていたので、
引き続き活かすこともご依頼の一つとしてありました。
ブログを紐付けできるのはとてもありがたかったですね。ブログを毎日更新することで、ホームページも毎日更新され、つくりっぱなしではなくしっかり運用できていると思います。また、ホームページ本体にもお知らせや施工例を載せるページをつくり、毎月1回は更新するように心掛けています。
制作にあたって一番大事にしたことは何でしたか?
『ナイトー工業』は手すり屋ですがアートという言葉を使っているので、センスの良さとかスタイリッシュさ、かっこいいというキーワードで全体構成して欲しいとお願いしました。それを実現するためのデザインや言葉のチョイスはプロにお任せしました。ただ、代表挨拶のところは、MPさんのご提案で、私の言葉を大切にしたものにしてくださって、それもいい案配になっているように思います。 鉄を加工しているというのでなく、遊び心を感じる。 そんな思いが伝わるようなホームページになったと思います。 内容や見た目も、あまり仕事仕事したくないと思っていて、あくまでもメインはブランドと人柄。 ものを紹介するのではなく、ものづくりへの気持ちやストーリーを知っていただいて、そこに興味を持ってファンになってもらえたらと。
公開後の反応や効果はいかがですか?
絶大です。 特に『てんぐの小太鼓』という、ポータブルロケットストーブの反応は「こんなにもリアルにくるんだ!」と、驚きしかありません。 実はそこまでホームページの効果を期待していなかったので、底力というか、実力を見せつけられた感じがして、改めて。
当初のホームページのターゲットは、地元工務店さんやハウスメーカーさんなどBtoBに向けてのものでしたから、ここまでBtoCの反響があるとは思いませんでした。 それでも、建築業界の事情が良くない中にありながら、見積もりなどの問い合わせや訪問件数は着実に増えているので、BtoB向けのPRも成功していると感じます。
『てんぐの小太鼓』は、当初ホームページに組み込む予定がなかったのですよね。
MPさんから、ブランディングをしっかりするために、完全に別ページのランディングページをつくったほうが良いとご提案いただきました。 結果、本業の方にも高い相乗効果があり、大成功でした。 クラウドファンディングで使った写真や内容を流用したのも、そのときついたファンを引き込むことができて、良かったのではないかと思います。 また、販売においても自社サイトの売り上げが多く、売り上げ数2位。
クラウドファンディングの売り上げはもちろん1位なのですが、他社の販売サイトを押さえて2位というのを見て、ここでもホームページの底力を感じました。
クラウドファンディングの成功は、
かなり話題になりましたね。
趣味でつくり始めたものが自社製品として成功するとは、最初は思いもしませんでした。 しっかりブランディングして、クラウドファンディングも資金集めではなくマーケティング戦略として捉えることを学んでいたので、成功に繫がったと思います。 もちろん、キャンプが人気になったこと、特にソロキャンパーが注目された時期を外さず世に出せたことが最大の成功でした。
自社製品の必要性とホームページの必要性を、『てんぐの小太鼓』とMPさんが教えてくれた、そして成功させてくれたと感謝しています。
これからチャレンジしていきたいことは何ですか?
本業の「アイアン手すり」を大事にしながら、新しい挑戦を常にしていきたいと思います。 また、成功の話を講演会などでもっと伝える活動も続けていきたいです。「チャレンジしなくては!」という気概をいろんな方に持っていただけたら、ビジネスが盛り上がるんじゃないかという思いもあります。あとはホームページである程度結果が出ているので、自分もホームページもアップデートを続けていきたいと思います。
最後に、ホームページ開設や
リニューアルを迷っている方にアドバイスを。
純粋に、やってよかったと思っています。それこそ、お値段以上の出来映えで、効果もがっちりで、大満足です。私も費用対効果など躊躇していましたが、助成金などさまざまなサポートがあるので、踏み切ることができました。そういった制度を使って、いろんなことを一歩踏み出してほしいと思います。
ただ、やりたいことがなければ、ホームページを作る意味がないので、誰に何を売りたいのか、どう訴えるかというベースをきちんと持ってから始めた方がいいと思います。それがあれば、MPさんが汲んでくれて、つくってくれます。そして公開後も、操作や効果を高めるアドバイスなど安心のサポート体制が整っているので、そういう部分でもおすすめです。
浜松商工会議所にて、私が講師を務めさせてもらっているwebセミナーにご参加いただいた内藤様。
サイト制作の打ち合わせは、作業場の一角にある、内藤様が手がけたアイアン小物やインテリアが溢れかえった素敵な事務所スペースで行われました。淹れてくださったコーヒーを飲みつつ、中身の濃い打ち合わせ、そして共通項であった“お酒”の話を楽しくさせていただき、楽しい時間を過ごすことができました。これからも楽しいお付き合いをよろしくお願いします!