お店のコンセプトは「いいものを、選んで、生きよう」
「地産地消」の考え方から始まった店づくりは、インテリアや造園にいたるまで、地元のクリエイターや職人の手により、浜松のデザイン・素材・技で仕上げられました。もちろん、扱う商品、提供するグルメも、地元産を意識。メインのお茶は言わずもがな。そこから派生した、お茶菓子や器なども、浜松産やつながりのあるもので。
揺るぎないコンセプトは、まさに『HARUICHI STYLE』を創り出し、店舗同様、ホームページやSNSに至るまで統一されています。来客数だけでなく、ホームページやSNSの閲覧数も開店・開設当初から右肩上がりを続けている成功の秘訣は、ブランディングをしっかり行い、継続して展開してきたことにあります。
ホームページ担当兼『HARUICHI STYLE』責任者の森重さんに、 ブランディングされた上で作られたホームページの役割と、ターゲット層への効果的なアプローチとSNSとの連動の重要性、さらにカフェやオリジナル商品のことなどをうかがってくと、あらゆる面からホームページ成功のヒントが見えてきました。
ホームページを開設後の経過はいかがですか?
とても良好です。何と言っても、ニュース&トピックスのページの更新性を重視したのは、良かったですね。 ここは、自分たちでは更新の頻度が下がっていくことが想定できたので、月に2本のペースで外部に業務委託。実際にカフェに来てもらい、イベントを体験したり、新メニューを食べたりして、旬な情報をレポートしてもらっています。SNSにも連動しているので、反応も年々良くなっています。
実店舗が好調な中で、
ホームページの役割とはどんなものでしょうか。
今の時代、ホームページやSNSといった情報発信は、必要不可欠なものだと思います。
『HARUICHI STYLE』の来客数が増えている要因の一つに、ホームページやSNSがあることは間違いありません。
SNSを見て、もっと詳しい情報を知るためにホームページを見てから来店、というのが現代の集客の流れ。実際、ホームページではメニューのページの閲覧が一番多く、多くのお客様がカフェに来てくださっています。
ですから、ホームページでは、メニューの情報を充実させること、旬なメニュー情報を提供することを特に心掛けています。先ほど言った、ニュース&トピックスの更新とSNSの連動も、まさにメニューの情報発信が主になっています。
メニューと言えば、大人気のパンケーキですよね!
パンケーキがお目当てのお客様も多いのではないですか?
まさにそのとおりです。夏はかき氷を季節メニューとして登場させたため、3ヶ月ほどパンケーキの提供をお休みさせていただいていたんです。かき氷も大変好評だったのですが、実は、若干ではありますが、来客数と売り上げが減ってしまったんです。
お客さまからの問い合わせやご要望がとても多かったので、もしやと思い、予定より早めてパンケーキの提供を再開したら、来客数も売り上げもが増えました。これには私もびっくり。要因がパンケーキの有無なのか、他にあるのか、分析ができていないので分かりませんが、パンケーキの人気の高さを改めて実感した出来事でした。
お客様に「行きたい」と思ってもらえる
一番のポイントはどこにあると思いますか?
もちろん、根底には質が挙げられると思いますが、今の若い方にとっては、質=「おいしい」ということと同列か、それ以上に「写真映えするから撮りたい」ということが重要であるように思います。これは新しい価値観だと、私は感じています。この価値観をないがしろにしては、時流についていけない。見た目を重視するというアプローチは、ともすると「質が良ければ」と、後回しにされていたことも、これまでの世の中にはあったと思います。
しかしそれだけでは、新しい価値観を持つ人たちには響かない。質を一番に、見た目も重視。これが、集客の重要なポイントの一つではないでしょうか。私たちも、商品を開発する際や写真を撮る際、デザインや写真映えを意識しています。
あともう一つ、口コミもとても大きな力になっていると思います。ましてや今の口コミは、SNSで〝拡散〟という強大な力をもっています。その発信元がファンであれば、さらに大きい。ファンがファンを呼ぶ、このつながりを作ってくれるファンを増やすこともポイントになると思います。
『HARUICHI STYLE』は
コンセプトに基づいたブランディングができていた。
だから、成功するべくした。そう感じます。
そうですね。商品開発にしろ、ホームページにしろ、コンセプトがしっかりしていなくては、良いものが作れないと思っています。そして、それをみんなが共有できていることも大事。
新商品開発などの際には、必ずミーティングを行います。社長、コンサルタント、店舗設計をされた設計士さんなど『HARUICHI STYLE』の基礎を作った方から、若い感性を持つ店長までが集まります。コンセプトに合っているか、ブランドイメージを崩さないものであるかなど、みんなでジャッジ。再度コンセプトを見つめ直すとともに、その感性を共有します。
これが実は非常に重要で、時流や集客状況によってコンセプトが揺らいでしまうといった事態になりません。しっかりしたコンセプトをつくり、コンセプトに基づいた商品を自信を持って提供し、自分たちのスタイルを確立する。さらに、新しい価値観もプラスして発信していく。当たり前のようにやっていることですが、ここが最大の成功の秘訣だと、私も自信を持って言えます。
コンセプトやブランドイメージを表現し、
伝えるために、ホームページを作る際、こだわったポイントは?
見た目と言葉です。特にトップページは、非常にこだわりました。メインビジュアルとコピーで、『HARUICHI STYLE』が何となく想像できるものにして、イメージの共感・共有を狙いました。
そこからスクロールしていくと、旬なメニューや商品のバナーへと続くのですが、このバナーも、使い方によってはごちゃごちゃして美しくなくなってしまう。インパクトがありつつ、ブランドイメージを崩さないデザインを心掛け、映える写真を使うようにしています。全体的にビジュアル重視、そしてコピーでエッセンスを、というイメージでしょうか。 詳細ページなども同じくビジュアル重視ですが、言葉でしっかり伝えることも意識したデザインになっています。
それから、マメな更新という点も外せないポイントでした。 更新頻度が下がらないことは、ホームページを作るにあたっての最重要使命だと思います。ですから、最初に話しましたが、外部に委託してきちんと更新していくという方法も、考えてみて良いかと思います。その支出の分、集客・売り上げという形で返ってくると思います。
ホームページを開設して良かったことは何ですか?
もちろん、集客に大きく貢献していることに間違いはないのですが、それ以外での良いことの方が、私的にはたくさんあります。
ホームページの担当になったことは、私にとって、商品開発という大きなチャレンジに次ぐ、チャレンジでした。
商品開発は、企画から任され、自由度が高い楽しさよりも、生みの苦しさや難しさの方が多く、大変だった記憶の方が濃くあります。しかし、今はHAPPYな気持ちの方が強いです。お客さまが手に取ってくださり、笑顔になるの瞬間に出会えるたび、ここにたどり着くことが幸せなんだと感じています。
ホームページを開設してから気付いたのですが、ホームページに情報をアップしていくと、自分が積み重ねてきた軌跡が、蓄積されていくんですよね。これからの励みになるという意味で、私的には、これが一番、ホームページを開設して良かったことだと思っています。
あとは、すてきなホームページに仕上げてくださったMPさんに、感謝したいです。デザインや表現方法など、ブランディングにもつながることを提案していただいたり、とても勉強になりました。これもホームページを開設して良かったことの一つです。